時計の話③
Здравствуй мой товарищ‼︎
どうも、皆さんこんには!
ぼちぼち更新してきまして時計シリーズ第3弾でございます。
冒頭のアルファベットもどきはロシア語です。
直訳すると「こんにちは、私の同志!」ですが「同志の皆さんこんにちは!」ぐらいのニュアンスですかね。
最近のロシアでも「同志!」の呼びかけは流石に使われなくなってるそうです。
まぁ、ソ連崩壊からもうすぐ30年(!)もたつのにそんな挨拶されたら困りますよね。
未だにしてるのは共産党ぐらいでしょうかね。
ちなみにロシアでは共産党が生きていて、しかも議会ではかなりの議席数を持ってるってなんかすごくないですか?
えっ?すごくない?
あぁ、えぇ、興味ないですよね。
そういえば12月25日はソビエト連邦が崩壊した日ですね。(実はこのくだりはクリスマス前に書いたんです)
1922年に内戦終結で国内平定で1991年に崩壊ですから70年を経たずして大国が崩壊してしまったわけですからなにが起こるかわからないなぁなんて思いますね。
長々とソ連の話をしたわけですがなんでそんなにソ連なのと言いますと今回の時計の話がソ連だからです。
愛がありすぎていつもソ連について書くと長くなってしまいます。
さて、本題の時計の話(私が持ちうるソビエト・ロシアの時計の知識を総動員するので長くなりますよ!)ですが私が時計収集を始めた最初の時計、つまり私が初めて買った時計がソ連に源流を持つロシア製の時計でした。
ちなみにソ連の時計産業、もとより全ての産業が基本的に国営です。
ソ連最初の時計工場であるモスクワ第一時計工場は1930年にスターリンの命によって設立されました。
本当はセルゲイ・ミロノヴィチ・キーロフ第1時計工場と言って暗殺された革命家の名を冠しています。
このキーロフさんがスターリンの大粛清の呼び水になった人なんですけど今回はスルーで。ソ連に限らずロシアでは、すぐに革命家のとか英雄とか皇帝の名前を名を冠したものを作りますね。
この工場に至っては自分たちで殺しておいて名前借りちゃうんですからめちゃくちゃですよ。
このモスクワ第一工場を源流にもっている時計(あくまで国策によるブランドなのでメーカーではない、現在では民営のメーカー)は飛行を意味するを意味するполёт、航空士を意味するштурманский なんかがそこそこ有名ですかね。
Полётは日本ではポレオットとか呼ばれていますが私は現地読みのパリョートと呼んいます。僕が初めて買ったロシアの時計はこのメーカーのものです。
この時計はなかなか面白くてアラーム付きなんですよ。
仕組みはアラームのゼンマイを巻いてあげて時間になるとバーが時計の裏蓋を叩くってだけですがなかなか面白いですよね。
Штурманский は綴り通りでシュトゥルマンスキーと呼ばれていますね。
このシュトゥルマンスキーはあのユーリ・ガガーリンの宇宙飛行にも同行しており世界初の宇宙時計として知られています。
わたしの持っているシュトゥルマンスキーはガガーリンを記念したモデルで文字盤にユーリ ガガーリンとか1961年4月12日とか色々書いてあります。
実はロシアの時計といえばモスクワ第二工場系列のコマンダースキーが有名なんですよね。
これはソ連崩壊後に西側に安値で大量に流失したためで一時期は日本でも少しブームとなりました。
話によればロシア国境近くの中国の町では数ドルで新品を買えたほど安かったようです。
その時代に生まれていたかった。
残念ながら私はコマンダースキーは持っていないんですがその姉妹(時計って性別どっちなんだろ)機とも言えるアンフォビアを持っています。
これがそのアンフォビア。
文字盤にハンマーと釜のマークがあって見る人が見たら危険人物判定されそうなデザインですよね。
この時計は先にも述べたモスクワ第二時計工場製で「東方」を意味するВосток という銘柄のなかの一つとして生産されています。
これは基本的に軍用で、軍関係者向けにのみ販売されていたモデルも多いです。
民生用と軍用の見分け方としては文字盤の下の部分にある文字が СДЕЛАНО В СССР (ソ連製の意)の場合が民生用、ЗАКАЗ МО СССР(ソ連政府発注品ぐらいの訳、になるかな?)の場合が軍用となります。
また、民生用の場合はСССР(ソ連)とРОССИИ (ロシア)の違いでソ連時代に作られたのか崩壊後に作られたかを判断することができます。
私が持っているものはソ連時代に作られた民生型となります。
このコマンダースキーとアンフォビアはソ連の全軍の将兵に支給されたことから非常に文字盤のデザインが豊富で戦車が書かれたもの、飛行機、軍艦、ゲオルギーリボンなど様々です。
また、元が軍用ということもあって時計の精度は恐ろしいほどいいです。
日差はプラマイ1秒とかそんなレベルで一度合わせればゼンマイが戻るまでまず狂うことありません。
ただ、ゼンマイを巻き切ったとしてもそんなに稼働しないのが玉に瑕ですかね。
アンティーク時計の防水性なんてのは信頼でしませんが、20気圧防水となっておりなかなかガチです。
ソ連崩壊後もメーカーとして時計の生産をおこなっていましたが倒産したようです。
現在はボストーク・ヨーロッパというメーカーがあり近代的な時計を作っていますがこれはこのメーカーの直系ではないのでちょっと注意が必要です。
ちなみに倒産したはずのボストークも現在進行形でコマンダースキーやアンフォビアの生産をしているらしいです。
「ボストーク、死んだはずでは?」
負債を無くすためらしいとか余ったパーツを消費するためとか様々な説がありますが詳しいことはわからないんです。
こういう意味がわからないところがロシアらしいですよね。
さて、長々と書いてきましたがまだまだありますよ。
僕が愛してやまないソビエトの時計ブランドにロケットを意味するРАКЕТАがあります。
読み方はローマ字読みみたいにできそうですがラケタになりますかね。
このラケタはガガーリンが宇宙に行っことを記念して1961年に命名されました。
このブランドは1721年(!)にピョートル大帝によって設立されたペトロドヴァレェツ工場に由来します。
この工場は革命以前から鉱石加工をで培った技術で時計を生産しておりラケタのブランドが始まるまでは栄光や勝利を意味するПОБЕДА (パベーダ)などの生産をしていました。
ラケタのいいところはムーブメントの耐久性と機械的な信頼性の高さと豊富なデザインにあります。
ムーブメントはラケタ独自の2609Nムーブメントを搭載しています。
このムーブメントの耐久性は凄まじく、ケースが腐食してるような時計や中に水が染み込んだ時計でも動作させてしまいます。
そんな機械的信頼を買われ旧共産国に大量に輸出されていました。
構造もシンプルで生産しやすく整備もしやすい優れたムーブメントです。
ちなみにこの時計には輸出モデルと国内向けモデルがあります。
先ほどのボストークなんかと違ってブランド名がロシア語で書かれているかローマ字で書かれているかの違いで見分けることができます。
当然ロシア語なのが国内向けでローマ字が輸出モデルです。
デザインは西側の時計には見られないような独特なダサさ、かっこ悪さがたまらなくノスタルジーを感じるんですわ、そこがかっこいい。
まぁ、わかる人にはわかるでしょうしわからない人には一生わからないでしょうね。
私はこの時計を現在2つ持っています。
1つはケースの腐食が激しかったためにメッキを掛け直している最中で間も無く修理が終わりす。
もう1つの方はこんなデザイン。
ソ連製とは思えないようなポップなデザインではないですか?
一目惚れして買いましたよね。
かなり可愛げがあると思います。
このほかにもスラバとかモルニヤとかチャイカとか色々なブランドがありますがこの辺のことはあまりよくわからないので研究が進んだら書こうかなって思っています。
長くなってしまいましたが今回はこの辺で。
次はインドの時計についてお話ししようかなと思います。
ではまた!